「ぅ…ぐ…」
ルルーシュが小さくうめき声を上げた。
ごめんね。
すぐ楽にしてあげるから。
僕がさらに腕に力を込めたその時――
「ゼロォオオ!」
瓦礫の中から姿を現したのはオレンジ卿…いや、ジェレミア卿だった。
え、こいつ何してんの、とは口に出せる筈もなく、僕は黙って声の方を向いた。
「よくもこの私にオレンジなどと不名誉なあだ名を付けてくれたなぁあ!」
ルルーシュは誰だか忘れていたらしく、その言葉を聞いて漸く「あ、オレンジ」と反応した。
なんだろう、この状況。
なんていうか…ね。
「空気読めよオレンジ……」
あまりにイラッと来たので俺はルルーシュにだけ聞こえるように呟いた。
それを聞いてぷっと吹き出すルルーシュ。
雰囲気なんてぶち壊しだ。
よくも俺の邪魔をしやがって。
後少しで、そう…このオレンジさえ来なければルルーシュを俺のモノに出来たのに…。
俺はわりと本気でオレンジに殺意を覚えた。
「ごめん…ルルーシュ。
ちょっと待ってて」
「っはは…ぁー…スザク?」
オレンジ言うなああ!とうるさいオレンジがツボに入ったらしいルルーシュは
今度は笑いすぎて浮かんだ涙を拭っている。
畜生、ぶち壊すにも程があるぞオレンジ。
マジで殺す。
「先にあの邪魔なの消してくる」
ルルーシュはきょとんと目を丸くした後、
「あ、あぁ、頑張れ」
と返した。
俺は傍にあったナイフを握り、ゼロゼロうるさいオレンジに斬り掛った。
後少しだったのによくも俺の邪魔を、と最大限の憎しみを込めて。