「ロロ、その服はなんだ!」
ゼロがビシッとロロを指差した。
しかしロロはきょとんと目を丸くしているばかりで、何も分かっていない。
「何って……兄さんに似合うと思って」
ロロは人畜無害そうな笑顔で言うが、ゼロは呆れるばかりである。
それもそうだろう、大切なルルーシュが女装させられ、その姿を人目に晒されるというのなら。
「それとも、僕が選んだこの服が気に入らないとでも?」
ロロがピクリと眉を動かした。
根本的なところから間違っていることには気付いていないらしい。
ゼロが溜め息を吐こうとしたその時、
「その通りだ」
C.C.が名乗り出た。
「何……!?」
また話がややこしくなった、とゼロがますます呆れた顔をした。
そんな彼のことなどお構いなしに、自分が選んだ服にケチをつけられたのが許せないロロはナナリーが止めても食い下がろうとしない。
「一体どこが似合わないと言うんだ!
兄さんの美しさを全面に押し出す素晴らしい服じゃないか!」
どうやらこの服はロロのプロデュースらしい。
C.C.はフンッと鼻で笑い、自信満々に宣言した。
「私は生足より絶対領域派だ」
まるで時が止まったかのように、沈黙が訪れた。
「確かにそれも悪くはない。
だけど兄さんの生足の方がレアだ!」
「馬鹿め、そんなものは脱がせばいつでも見られるじゃないか。
お前には分からないのか……スカートとニーソの間にのみ生まれるあの素晴らしさが」
妙に熱くなっている二人にもはや付いていけない三人。
「お前達、ルルを汚すのはいい加減に…」
「何を言う、本当はお前も見たいんだろう」
「なっ……!」
ああ、駄目だな。
スザクは溜め息を吐いた。
ゼロまでC.C.のペースである。
やはり「ルルーシュ」という言葉に彼は逆らえないのである。
「スザクさん、絶対領域?ってなんですか?」
大騒ぎの中、ナナリーがスザクに耳打ちした。
ナナリーらしい反応ではある、が。
「知らなくていいと思うよ」
スザクの言う通り、知らなくていいこともある。
ハハハ、とスザクは笑い、ナナリーの頭を撫でた。