「有り難う」

お互いにそう言って笑い、C.C.と別れた僕達は歩き出した。



Re:



「ねえ、ルルーシュ。
彼女はどこへ行くのかな」
「さあな、少なくともあの世に直行はしないだろうが」

C.C.に魔女としての力はもう無い。
その力はルルーシュの手に渡ったからだ。
死ぬことの出来ないルルーシュと、死ぬことの許されない僕。
そう、僕達は死ねないのだ。
僕の方はどうか分からないけど、少なくともルルーシュは。

「ルルーシュ、手、出して」

突然言われたせいか、ルルーシュが訝しそうに手を出した。
その手を僕はグッと握った。
ルルーシュの顔が赤くなる。

「お、おい!誰かに見られたら……!」
「誰も見ないよ。
誰もいないんだから」

僕が微笑むと、ルルーシュは溜め息を吐いてその手を握り返した。
本当はさっきから手を繋ぎたそうにしていたくせに。
プライドが高くて、自分からは決して言い出さないから困る。

「本当に誰もいないな」
「そうだね」

それに、何も無い。
建築物どころか草一本無い。
あるのは、抉れた地面だけ。

「本当に、世界に僕達だけなんだね」

昨日、世界は滅んだ。
フレイヤの力だ。

「空を飛んでいた僕達だけが無事だったんだね」
「人類が滅亡したわけではないだろうが……」

それでも、本当に無傷なのは僕達くらいだろう。
だから僕らが手を繋いでいたって、誰にも見られないというわけだ。

「偽りは全て消えた。
ここに残ったのは真実だけだ」

ルルーシュがぽつりと呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
彼は遂に勝利した。
自分という存在を証明するための戦いに。

「おめでとう、ルルーシュ」

僕は聞こえないようにそう言って、話題を変えた。

「これからどうしようか。
お腹も減ったし……」

そういえば全部消えたから、食べ物もない。
どうしようかな。

「俺を食べればいいだろう」

あっさりルルーシュはそう言った。
ぽかんと口を開けた僕とは対照的に、ルルーシュは続ける。

「俺の傷は直ぐに治るんだ。
なら、煮るなり焼くなり好きにすればいいだろう?」

まるで僕を挑発するように艶やかに微笑むルルーシュ。
白い肌に映える赤い口唇と細い艶めかしい首筋に目を奪われ、僕はごくりと喉を鳴らした。

「――それはともかく、本当にこれからどうするんだ?」

……なんだ、冗談か。
僕は苦笑いを浮かべた。
ルルーシュが僅かに首を傾げている。

「そうだね、まずは――」

笑顔で言いながら、僕はそっとルルーシュの頬に手を添えた。



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