ルルーシュが死んで、もう三日が経った。
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世界は未だ混乱が続いているが、日本と中華の幼い指導者を中心に何とか一つにまとまっていけそうだ。
世界の敵は全て消えた。
ブリタニア帝国も、シュナイゼルも、ルルーシュも。
ニーナが研究を進め、近いうちにフレイヤを無効化する装置を作るそうだ。
この世界に漸く平和が訪れた……のかもしれない。
「その平和の為には犠牲が多すぎたけど」
世界から反逆者として処刑されたルルーシュ。
僕はその騎士ということで、シュナイゼル元殿下やジェレミア卿と共に檻の中で暮らすことになった。
本来ならば僕も死刑になるはずだったが、ナナリーが僕を庇ってくれた。
ナナリーはルルーシュのことも助けたかっただろう。
しかし、そのナナリーの言葉に首を縦に振る者はいなかった。
当たり前か。
「ジェレミア卿、」
こんこんと壁を叩いて隣に問う。
同じように返事が返ってきた。
「どうして僕にギアスキャンセラーを使ってくれなかったんですか」
ナナリーが僕を庇った時に使った口実はこうだった。
「枢木スザクはギアスの力で操られている可能性がある」。
僕はそれを違うと証明する為に、ジェレミア卿にギアスの解除を迫った。
しかし、彼はそうしなかった。
「何故、あの時彼と共に死なせてくれなかったんですか」
「お前は主の命に逆らうような騎士なのか?」
壁の向こうから微かに声が聞こえた。
「何故ルルーシュ様がお前にそんなギアスをかけたと思っている?」
「生きて罪を償わせる為でしょう」
全てを死んで済ませようとしていた僕に、それをさせない為の。
シュナイゼルがかけられたギアスと本質は同じだ。
「違う。
お前に生きてナナリー様を守ってもらう為だ」
ナナリー、を?
「ルルーシュ様は死を覚悟してゼロとなった。
死など恐れてはいなかった。
しかし、後に残ったナナリー様はどうする?
最愛の妹を守ってくれる人間は、ルルーシュ様にとってお前しかいなかったのだろう」
ルルーシュが、僕にナナリーを守らせる為に……。
「何時かルルーシュ様は仰った。
本当はスザクをナナリーの騎士にしようと思っていた、と。
お前も騎士なら、忠義でそれに答えたらどうだ?」
ルルーシュが、そんなことを……。
ナナリーの為に僕に生きろと言うのか。
「スザクさん」
反射的に壁から離れると、檻の前にナナリーがいた。
美しい澄んだ瞳に僕が映っている。
「ナナリー、僕は……」
「私は、ユフィ姉様とルルーシュお兄様の意志を継ぎます」
僕が口を開く前に、ナナリーはゆっくりとそう宣言した。
「この世界を二人が望んだ優しい世界、弱い者が虐げられない世界にする為に、私は命を懸けます。
今はまだ、誰もが納得してくれないでしょう。
でも、あなたの罪が赦されたその時は……。
……私に力を貸して下さい」
ルルーシュ、ナナリーはやっぱり君の妹だね。
誰よりも優しく、誰よりも強い。
「約束するよ、ナナリー。
その時が来たら僕も君の理想の為に命を懸けて助力しよう。
それがルルーシュの遺志でもあるのなら」
僕の返事にナナリーは少しはにかんで、頷いた。
……ルルーシュ、僕はもう一度君に笑われた理想の為に頑張ってみるよ。
君は困ったように笑うかもしれない。
そんなことは出来ない、と言いながら「出来るといいな」なんて祈ってくれるかもしれない。
とにかく僕は君の分まで生きて罪を償い、優しい世界を創るつもりだ。
もしもそれが出来たなら、その時こそ僕は君の所へ向かおう。
それまで待っていてほしい。
「だって僕達、友達だろ」